学校で英語を習ったのに喋れない人へのエール

2020/01/23

英語 大学院生

t f B! P L


日本生まれ、日本育ち、学校で英語を真面目に勉強して大学受験もしたのに、英語が喋れない。

僕はそうでした。東大の大学院生でさえ同じような悩みを持つ人や少なくとも英会話に苦手意識を持つ人が多いようです。

自分は大学院に入ってから独学で英会話を勉強して、なんとか研究者をやっていける程度には上達したので、過去の自分に向けてアドバイスを書きます。

参考までに自分の英語力はTOEICで600点台だったのが950点になりました。これぐらいの実力だと映画は字幕なしで全然分からないし、言いたいことがスムーズに言えないことが多々あります。ですが、1対1であれば聞き直したり、時間を掛けて伝えたりして必要なコミュニケーションは出来ます。自分も今以上に上達したいと思っているぐらいなので、一つの通過地点として参考になれば嬉しいです。

メッセージ

英会話が出来ないのは英会話の訓練が足りていないからです。ただそれだけです。
喋れないのは喋る練習が足りていない。
聞き取れないのは聞き取る練習が足りていない。
大学受験までは文字中心・インプット中心の学習です。
英会話は反対に、音中心・アウトプット中心の活動なので、
訓練を猛烈に反復練習すれば、これまでの知識を活かして、話せるようになります。
自分が重点的に行ったのは、発音と瞬間英作文です。
その2つについて以下で紹介します。

発音の勉強

英会話は音によるコミュニケーションなので発音が大事なのはわざわざ言うまでもありません。しかし発音学習が大事な理由は、ネイティブと見分けが付かない完璧な発音を身につけることではなく、英語の音のリストを全て区別して認識することが目的です。

日本語の場合はひらがな50音があり、これらを組み合わせてなめらかに繋げれば基本的にはどんな単語も正しく発音出来ます。英語でこれに対応するのはアルファベット26文字ではありません。発音記号に現れる約40の母音と子音のリストです。これらを区別して発音することで聞き取りも正確になります。

例え話ですが、アイヌの言葉では「雪」に相当する言葉が20個もあるという説があります。その数字の正確さはさておき、アイヌの人達は雪をとても高い解像度で認識しているわけですね。日本人はLとRの区別が苦手だと言われますが、似た話なのではないかと思います。日本語の「ら」は英語のRAにもLAにも近いですが、正確にはどちらでも無く、英語圏の人は明確にRAとLAを使い分けています。

英語の発音を学ぶ最大の目的は、英語圏の人と同じように音を切り分けて認識することにあります。完璧に出来なくとも、区別して発音していれば、聞こえ方も変わってきます。

今やネットで無料の情報がありますが、当時自分が使った本を紹介します。全ての音について顔の断面図があり、口の形や舌のポジションなど図解でとても分かりやすいです。

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
松澤喜好
アスキー・メディアワークス
売り上げランキング: 136

瞬間英作文

今なお売れている定番の本があるので知っている方も多いかもしれません。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
森沢 洋介
ベレ出版
売り上げランキング: 208

中学レベルの英語の短文が日本語で見て(聞いて)すぐに(1秒ぐらいの間で)対応する英語を口に出すトレーニングです。例えば、「このリンゴは赤いです」を見て直ぐにThis apple is red. とスムーズに口に出します。

文字にするとバカバカしくなるほど簡単です。ところが大学院1年目の自分はこれがスムーズに出来なかったんですね。これが出来ないのだから英語が喋れるわけありません。

文字ベースで考えると簡単に見えますが、やってみると案外難しい。特に「瞬間的に」英語に直して「スムーズに」言うのが難しい。そう感じる(当時の自分のような)人は反復練習を取り組むと英語が上達すると思います。既に持っている知識を使う訓練なので、辛い暗記は無くとてもおすすめです。

当時、僕は通学中に付属CDを聴いて This is a long pen. みたいなことを延々とブツブツ言っていました笑 瞬間英作文という名前ですが、日本語を一語一語英語に変換していくのではなく、一旦日本語の文の内容をイメージに変換して、そのイメージを英語で表現するという意識でやるように心がけていました。伝わり辛いですね笑 

おわりに

英語の練習をしていると、英語が好きになってきて他の勉強もいくつかやりました。あと、アメリカに長期滞在をして実地で学んだ事も多いです。今の自分の課題は表現の幅とか語彙力を増やすことかなと思っています(英検1級とかいつか取ってみたい)。とは言え、発音と瞬間英作文は全ての土台になっていると感じます。当時の自分と同じような悩みを持つ人の参考になれば嬉しいです。




このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
東京大学 物性研究所 (柏キャンパス) で物性物理学の理論研究をしています。 ブログは最近撮り始めた写真の公開と日記を中心につらつら書くつもりです。 ごくたまに、研究活動に関わる有益な情報を発信出来たらいいなと思っています。

QooQ